年金、身近な人も関わってくる連帯納付義務

年金加入の義務

国民年金という年金制度は、日本内に住む20歳〜60歳のすべての人が加入しなければならないものです。25年以上年金の保険料を支払うことによって年金の給付資格を得ることができ、65歳になったときに老齢年金が支給されるようになります。国民年金は公的な年金であり、公的な年金には国民年金のほかに障害者になったときの障害基礎年金、亡くなったときの遺族基礎年金があります。

 

年金の加入者は被保険者といい、被保険者には第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者の三種類があります。第1号被保険者は自営業や自由業、農業、学生、フリーター等の加入者のことで、第1号被保険者は国で決められた保険料を支払いします。第2号被保険者は会社に勤めている加入者、第3号被保険者は第1号被保険者、または第2号被保険者の扶養者です。第3号被保険者は年金の保険料の支払いはありませんが、第1号被保険者は自分で保険料を支払わなくてはなりませんし、第2号被保険者は給与から天引きされて保険料を支払わなくてはなりません。

 

しかし、経済的に保険料の支払いが難しい人もいます。そのため、保険料の支払いについては免除したりや猶予する制度が設けられています。所得の低い人の場合は、申請を行うことによって保険料を全額免除、ないし4分の1免除、半額免除、4分の3免除があります。学生で収入が無い場合などは学生納付特例、30歳未満で収入が低い場合は若年者納付猶予制度の承認を得ることによって保険料の支払いを猶予してもらえます。

 

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年金保険料の支払いの必要性

免除や猶予されるケースを除いて、保険料の支払いは必須であり、未納の場合は強制徴収が行われます。強制徴収については社会保険庁長官から督促が行われて、期限までに支払いが行われない場合は、年利14.6%という高い延長金が追加されます。それでも保険料の支払いがない場合は、財産の差し押さえとなってしまうため、保険料の督促があった場合は、その時点で支払いをしたいものです。

 

年金の強制徴収は、被保険者である本人以外に配偶者や世帯主といった連帯納付義務者に十分な収入があるにもかかわらず、支払いがない場合に行われます。「連帯」という言葉に連帯保証人といった言葉を連想する人もいるでしょう。連帯保証人とは借金をした人が返済をしない場合に借金をした人も代わりに借金の返済をしなければならない人のことです。連帯納付義務者という言葉も同じような意味で、強制徴収が行われるかどうかは、配偶者や世帯主といった被保険者と関係の深い人たちの所得なども判断の基準となるのです。

 

そのため、年金の支払いの督促は連帯納付義務者にも送られてきます。そして、被保険者が年金の支払いをしない場合は、連帯納付義務者の財産が差し押さえされます。配偶者や世帯主は、その世帯に属する被保険者の保険料に対して連帯して納付する義務を負うのです。

強制徴収が行われる、その前に対策を

強制徴収の件数は2003年の最終催告状が9,653件、督促状が416件、財産差押が49件、2004年の最終催告状が31,497件、督促状が4,429件、財産差押が512件、2005年の最終催告状が172,440件、督促状が47,828件、財産差が5,558件、2006年は最終催告状が54,469件、督促状が43,540件、財産差押が1,310件と年々増加しており、最終催告状の発行目標は60万件となっています。

 

今後の年金の支払いついては、2008年からクレジットカードによる納付が可能になるなど、支払いがしやすい環境が整えられてきています。現在、国民年金の納付率は50%程度にまでなっていますから、今後も強制徴収などの措置が進められてくるでしょう。年金の支払いは、被保険者である本人だけでなく、配偶者や世帯主も義務を負うことになります。そのため、年金の納付ができる資金計画や生活のあり方を考えていきたいものです。

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